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「化学教室より」

岩井 薫 教授 <理学部 化学生命環境学科 化学コース・環境科学コース>

 化学科同窓会長の阿部先生よりコラム「化学教室より」に寄稿するようにとのご依頼を頂戴致しました研究院自然科学系教授の岩井です。思い起こせば私が着任した昭和54年(1979)頃には良く用いられていた「化学教室」という言葉も過去の遺物となって久しくなり,私たち教員の所属も数年前に理学部(化学科)から教員組織である研究院自然科学系(化学領域)へと変わりました。
 理学部化学科は昭和28年(1953)3月に第1回卒業生の方々を社会に送り出して以来,平成27年(2015)3月卒業(第63回)までで1,672名〔百年史の書物によると平成20年3月卒業(第56回)までで1,412名とあるので,それ以後の卒業生数を加えて算出〕の卒業生を送り出して来ました。この60有余年の間に理学部ではいろいろな変遷がありました。平成3年には,既存の4学科(数学科,物理学科,化学科,生物学科)に加えて,コンピュータの急速な発達に対応して情報科学科が設置され5学科体制になりました。平成8年には物理学科と生物学科が講座増を機にそれぞれ物理科学科、生物科学科に発展的に改組し,また,同時に5学科はそれぞれ5〜6講座で構成された小講座制から2大講座制へと移行しました。それに伴い化学科には基幹化学講座と機能化学講座が設置されました。平成16年には国立大学法人化があり,平成19年には学校教育法の改正により助教授が准教授に名称変更になり,理学部ではそれまでの助手は助教となりました。
 化学科にとっての最大の変化は平成26年の学部改組です。既に,ご存知の方も多いと思いますが,奈良女子大学理学部では,科学の進歩発展にともなう現代社会の急激なグローバル化,価値観の多様性化,予測困難な自然・社会現象の変動などに対応できる広い視野や多様な価値観をもつ人材の育成を急務と捉え,それまでの5学科体制を見直し,平成26年度入学生から数物科学科と化学生命環境学科との2大学科体制を採用することとなりました。それに伴い,化学科も化学・生物科学・自然環境科学が融合・連携して教育を行う化学生命環境学科の中の化学コースとなりました。現時点(2016.01)は,1〜2年生は化学生命環境学科化学コースの学生,3〜4年生は化学科の学生という新旧体制の学生が共存する過渡的な状態です。今後,化学コースの初めての卒業生が出る平成30年には,それに合わせて大学院の改組が行われる予定で現在その準備が進められています。
 化学コースの詳細は,奈良女子大学理学部化学生命環境学科化学コースのホームページ (http://www.chem.nara-wu.ac.jp/)をご覧ください。